『いつもこうなる』は本当?再現性というヒント

「また失敗した」
「最近ずっとうまくいってる」
そんなふうに、私たちはつい日常を“結果”で捉えがち。

でも──その結果、本当に“いつも”そうなるものでしょうか?
研究の世界で大切にされる「再現性」の視点から日常を見つめてみると、気持ちが少し楽になるヒントが見えてくるかもしれません。

私自身、昔動物の研究をしていた頃、
「なぜこの結果になったか」を示すために、とにかく細かく記録を取っていたんです。
性別・体重・食事量・家系・天気・気温・道具のメーカー…挙げたらキリがないくらい。

でも、そこまでしてようやく、「この条件のときにこうなった」と言えるだけなんです。
そして、その条件を世界中の研究者が再現し、同じ結果になるかどうかを確かめていく。
それが「再現性」。
研究の世界でとても大切にされる概念です。

そんな「再現性」の考え方、じつは日常にも応用できるんじゃないかとふと思ったんです。
たとえば──

今日うまくいったのは

  • 気分がよかった⇒たっぷり寝たから?
  • 仕事がスムーズに進んだ⇒朝に余裕があったから?

いろんな“条件”が重なっていた結果だったりして。
だからこそ、
「いつもこうなるわけじゃない」
「今日はたまたま、うまくいく条件がそろってたんだな」
そう考えれば、イマイチな日に落ち込まずに済むかもしれないですよね。

逆に、うまくいかなかった日も

「失敗した」と思っても、それは“必然”ではなく、「その条件のときに起きた一つの結果」だっただけかもしれなくて。

  • 寝不足だった
  • 気圧が低かった
  • プレッシャーを感じていた

その日だけの要素が重なって、「たまたま」失敗したのかも。


再現性とは、「条件が同じなら同じ結果になるか」を見る視点。
日常でも
「なぜこうなったのか」
「他の条件だったらどうか」
こうやって少し距離を置いて見てみたら、
自分を責めすぎなくなったり
奇跡のような出来事を再現するヒントが見えたり
するのかもしれません。

いつも同じじゃなくていい
条件が違えば、結果も違う
そう思えたら、少し心が楽になる気がしません?

 

投稿者プロフィール

藤田 勇気
藤田 勇気くれたけ心理相談室(仙台支部)心理カウンセラー
宮城県仙台市・富谷市を中心にカウンセラーとして活動しています。
オンラインカウンセリングもご利用いただけます。

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