伝言ゲームの難しさ
みなさんこんにちは。
「伝言ゲーム」をご存じでしょうか。
ある人が根本となる「お話」を別の人に伝え、伝えられた人がさらに別の人に伝えて…と繰り返すゲームです。
最後の人がどんなお話だったかを話して、最初のお話との差を楽しむものです。
なぜこんなことを書いたかというと、つい最近出た研究が、伝言ゲームに似ているな~と思ったからなんです。
それがこちら。「AI models collapse when trained on recursively generated data」
簡単言うと、AIが自己学習で自滅しちゃう!という研究なんですね。
賢いはずのAIが…
人工知能(AI)は日々賢くなっていて、スマホのアシスタント、チャットボット、画像生成ツールなど、私たちの日常生活に無くてはならない存在になりつつあります。
このAIというのは、突然あらゆる知識を持つわけではなく、大量のデータを使って学習しているんです。
例えば、絵を描くAIには何千何万枚もの画像を見せて、その特徴を覚えてもらう、といった感じ。
ある程度物を覚えたAIに、絵をかいてもらって、さらにその絵を再度学習する。
こんな風にある種伝言ゲームのように情報を伝えながら学習していくこともAIには可能なわけです。
でもまさに、伝言ゲームのように間違った情報が混ざりこんだら。。。
絵に例えると
まずは有名な画家の、有名な絵画をAIにいくつも見せる。
そしてこの画家風の絵をかいて!と依頼すると、なかなかに特徴をとらえた絵を描いてくれます。
これはすごいことだけれども、本物ではない。せいぜいそっくりさんレベル。
AIとしては、自分で作った絵画を本物の絵画と同じ「この画家の画風」として捉え、学習する。
そしてまた絵を描く。すると、次第に少しずつズレが生じ、最終的には全く違うものになってしまいます。
人間にしかできないこともある
AIはとっても優秀。
でも、これは正しい、これは違う、といった自律的にアクションをすることが苦手。
放っておけばいつの間にか追い求めていたものとはかけ離れた場所に行ってしまうかもしれません。
たとえ人間であっても、何かに執着しすぎて本来の目的からズレてしまう、なんてこともあります。
それでも私たちには、誰しもが創造力や直感、倫理的な判断が備わっています。
それに、目を見て、心に触れて、お話をすることで共感することだってできますね。
私たちは伝言ゲームではなく、直接まっすぐに気持ちを伝えあって、幸せに生きていきたいものですね。
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