ペットロスの中にいるあなたに、私から届けたいこと

正直に言うと、この話を書くのはすごくつらかった。
何年経っても、思い出すたびに胸がぎゅっとなるし、涙が出る。

でも、だからこそ、
同じように“今”をつらい気持ちで過ごしている誰かに届けばいいなと思ったんです。

 グレートピレニーズのケビンは、私にとって兄弟のような存在でした。
中学生の頃、引っ越しを機にやってきた彼は、友達が少なかった私の、唯一無二の親友でした。
何をするにも一緒で、彼の大きな体と優しさに、ずっと支えられてきました。

でも、大学生のとき――
ケビンは病気になり、手の施しようがないと言われました。
それが「骨肉腫」だと知ったときの絶望感。
そして、別れの日が、思っていたよりもずっと早く訪れました。

私が家に帰るのを待っていてくれたかのように、
たくさん触れ合って、声をかけたその夜、彼は旅立ちました。

そこから、私は壊れてしまいました。
ご飯が食べられなくなって、眠れなくなって、夢に出てくるケビンの姿に怯える毎日。
「なんで助けてくれなかったの」と言われる夢を何度も見て、
自分を責め続けて、どうしようもなくて、
部屋のモノにあたっては、それでも気持ちは晴れなくて。

その頃、私は逃げるように家を離れました。
大学の進路も、そう選んでいたのかもしれません。
本当に、すべてから逃げたかった。

どうやって普通の暮らしに戻ったのかは、正直あまり覚えていません。
でも、いつの間にか少しずつ、ケビンの話を人にできるようになってきて。
「好きだったおやつ」や「苦手だった音」、「よく一緒に行った場所」の話をすると、
まるで今もそこにいるような気がして、不思議とあたたかい気持ちになるんです。

もちろん、今でも涙は出ます。
でも、私はいま、新たな動物たちと一緒に暮らしながら、
ケビンとも一緒に生きているつもりです。

だから、もし今。
大切な家族を失って、つらい思いをしている人がいたら――
どうか、あなたの話を聴かせてください。

写真や動画を見ながら、思い出話をしてくれてもいい。
「こうすればよかった」と後悔の話をしてくれてもいい。
涙を見せてくれても、無言のままでも、もちろん大丈夫です。

私は、そんなあなたの気持ちに、静かに寄り添いたいと思っています。

ケビンと過ごした日々は、私のなかで永遠です。
そして、あなたと愛する存在との日々も、きっと、そう。

一緒に過ごした時間は消えないし、
その子があなたを愛したことも、あなたがその子を愛したことも、
何も間違ってなんかいません。

読んでくださって、ありがとう。
あなたと、あなたが愛したその子に、やさしい風が吹きますように。

先代犬ケビン

 

投稿者プロフィール

藤田 勇気
藤田 勇気くれたけ心理相談室(仙台支部)心理カウンセラー
宮城県仙台市・富谷市を中心にカウンセラーとして活動しています。
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