今日を生きて

熊本で地震があったことを知ったとき
東日本大震災を思い出しました。

私は当時
仙台で被災しました。

震災当日、電波もなく
家族とは連絡が取れなくなりました。

ただ、時間はかかったものの
全員と合流できましたし
家も失わずに済みました。

それでも
命やいつもの日々が失われるかもしれない。

そんな危機に直面した恐怖の記憶は
今も強く残っています。

大きな揺れを乗り越えたら
それですべてが終わるわけではありません。

余震は突然やってくるし、
電気や水道・ガスが
いつ使えるようになるのかもわかりませんでした。

普通の暮らしができる日は
本当にまた来るのだろうか。

そんなことを考えていたのを覚えています。

それでも。
生きるために
その日にできることをやるしかありませんでした。

少しずつ部屋を片づけて。

食べられるものを家族で分け合って。

夜はロウソクの灯りで過ごして。

先のことはわからなくても
その日にできることをひとつずつやっていました。

一日一日を
なんとか生きる。

あの頃は
そんな感覚だったように思います。

しばらくして電気が戻りました。

さらに時間がたつと
水道やガスも使えるようになっていきました。

すべてが一度に元へ戻ったわけではありません。

けれどそこから
自分たちらしい暮らしは
少しずつ戻っていきました。

今、不安のなかにいる人へ。

「大丈夫」なんて簡単には私は言えません。

「元気を出して」も
「前を向いて」とも言いません。

不安になるのは当然ですし
つらくて、どうしようもなく感じる日もあります。

でも、だからこそ。
今はただ生きるだけでも
じゅうぶんです。

立派なことや
すごいことなんて
しなくていい。

ただ、ひとつ。
生きるだけでいいのです。

私の場合は
そうして一日ずつ過ごすうちに
自分らしく暮らせる日が
少しずつ戻ってきてくれたから。

いつかまた笑える日が来る。

そう言い切ることはできないけれど。

それでも私は
あの日々を思い出しながら

あなたにその日がやってくることを
静かに仙台から願っています。

投稿者プロフィール

藤田 勇気
藤田 勇気くれたけ心理相談室(仙台支部)心理カウンセラー
宮城県仙台市・富谷市を拠点に活動している心理カウンセラーです。
日々のモヤモヤ、家族のこと、進路やキャリアのこと。
どんなに小さなことでも聴かせてください。
無理せずゆっくり、一緒に整えていきましょう。
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