あの人の知らないところ

「なんでそんなふうに思うんだろう」

人と関わっていると
そう感じることってありませんか。

同じ出来事のはずなのに
相手の受け取り方がまったく違っていたり。

心配してかけた言葉が
責める言葉のように伝わってしまったり。

そんなすれ違いが起きると戸惑ってしまって
「どうしてわかってくれないんだろう」と悲しくなることも。

ときには、
「この人とは合わないのかもしれない」
そんなふうに考えてしまうかもしれません。

けれど、少し詳しく話を聞いてみると、
思いもよらない事情が顔を出すこともあるものです。

それはたとえ同じ場所にいて、
同じ出来事を見ていたとしても、です。

その日までに経験したことや、
大切にしてきたものは、お互い違います。

ある人にとっての「いつものこと」が
別の人にとっては初めてだった。

私には何気ない言葉だったけど、
相手には以前のつらい出来事を思い出す言葉だった。

そんなこともあるのでしょう。

私たちが知っているのは、
その人のほんの一部分です。

見えている部分から
「きっとこの人はこういう人なんだ」と
自分なりのイメージを作っています。

それは悪いことではありません。

相手のことをわかろうとすれば、
誰でも自然にすることです。

ただ、新しいことを知ったなら、
その人への見方もそのたびに変えていいのかも、とも思うのです。

もちろん。

相手の背景を想像することと
傷つく言葉や態度を我慢することは別物です。

こちらが悲しかったことを
なかったことにはしなくていいのです。

ただ
「なんでそんなふうに思うんだろう」
そう感じたなら。

すぐに相手を決めつける前に、
「私の知らない何かがあるのかもしれない」と
一呼吸おいてみる。

そしてそれと一緒に
「本当は自分は何をわかってほしかったんだろう」
そう自分の気持ちにも目を向けてあげる。

すれ違いというものが、
それだけですぐに解けるとは限りません。

でも。

ほんの少し私にも誰かにも
ひと息ついてから声をかけられたなら
次に生まれる言葉は変わっていくのかもしれません。

投稿者プロフィール

藤田 勇気
藤田 勇気くれたけ心理相談室(仙台支部)心理カウンセラー
宮城県仙台市・富谷市を拠点に活動している心理カウンセラーです。
日々のモヤモヤ、家族のこと、進路やキャリアのこと。
どんなに小さなことでも聴かせてください。
無理せずゆっくり、一緒に整えていきましょう。
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